かなり時間空いてしまいましたが3ヶ月ぶりに天照SEOブログ更新します。
久々過ぎてブログのPASSを忘れるというアクシデントもありましたが何とか気合いでログインできました。
久々にアルゴリズム関連ネタで話をしますが、今回はSEOに不慣れな方には聞きなれない言葉かもしれませんし、SEO関係者でも意外に見落としている人も多いのかな?と最近感じる「QDD」というものに関して主に書きます。
QDD(Query Deserves Diversity)とは
QDDとは、ある検索語に含まれるユーザーインテント(検索意図)の多様性に応じた検索結果を提示するためのアルゴリズムです。ちなみに“Query Deserves Diversity”は直訳すれば「多様性に見合った検索(クエリ)」となるのかもしれませんが良くわからないのでこの記事にある「多様性優先の検索」とした方がなんかしっくりきます。
様々な検索意図を含む検索に対して、ある偏ったジャンルのWEBサイトばかり上位にリストアップされていた場合、それらのWEBサイトを目的としていないユーザーにとっては非常に不便な検索結果になってしまいます。
それを解消するために存在するアルゴリズムがQDDだと考えて下さい。とはいってもこれだとかなり抽象的な表現なのでもう少し細かく説明します。
「ペット」の検索結果
例えは何でもいいんですが「ペット」という検索をイメージします。
これからペットを飼いたいのか、ペット用品を買いたいのか、ペットを飼っていて何かに困ってるのか、この検索した人の意図はこれだけでははっきりしません。
例えば「ペット用品」とか「ペット 保険」いう検索語であれば何を目的としたサーチであるかはそこそこ明確ですが、「ペット」一語での検索の場合、この検索が明確に何を目的とする検索かをこれだけの情報で判断することは人間でも機械でも非常に困難です。
実際の検索結果はこんな感じになります。
サイトタイプは大分ざっくりわけていますが、ショップサイトからポータルサイト、Wikipediaから色々出てきます。
「ペット」の検索のように検索者の目的がはっきり分からないということは、その検索に対するベストな回答が何なのかが特定できません。
その場合どのような検索結果を提示するのが最もユーザーにとってベストなのか?と考えたときに、QDDのようなアルゴリズムによって実現されるのが「最善の回答」ではなく「最善の選択肢」を与える検索結果ということです。(回りくどい言い方ばかりですみません)
(補足)
逆に検索意図が明確な場合には比較的広義なテーマでも検索結果は偏ります。例えば「オフィス用品」などは、比較的広い意味こそ持ちますが(より狭義な言葉を多く持つということ)、この検索の意図は大半の場合「オフィス用品買おっかな、とりあえず見てみようかな」でしょう。実際の検索結果はこのようになっています。
ここは思いっきり通販系ですね。ただ通販サイトだから良いというよりも、この場合には検索語がこのテーマにおいては広義ですので、その(言葉の広さとしては)下に位置するような下位キーワードを軸として各商品がカテゴライズされた総合ショップサイトがランクインしています。まあこの辺は今回ははしょりますが、少なくともこの中に「オフィス用品の歴史と変遷を徹底解説!」というテーマのWEBサイトが入ってくることは考えられなさそうです。
ユーザーの検索意図に検索結果が左右される
QDDアルゴリズムを素直に解釈すれば、ある検索を行う際のユーザーの検索意図が変化すれば、検索結果もそれに対応して変化していくということです。
つまりバックリンクだの何だので蓄えられるSEOパワー(表現かなり微妙ですがここではそう表現します)だけの話ではなく、Googleが検索語をどう解釈して処理しているかというそもそもの問題があります。
正直何を言ってるのか分かりづらいので、先ほどとは別の例も見てみます。
「ワンピース」という検索
身近なところで「ワンピース」という検索をイメージして下さい。
もちろん洋服のワンピースを探して検索する方もいると思いますが、現代では圧倒的多数の方が少年ジャンプで連載中の人気マンガの「ONE PIECE」を想像されると思います。
実際の「ワンピース」の検索結果を見てみます。
見事なまでに「ONE PIECE」関連ページで検索結果が埋まっています。厳密には「ONE PIECE」に関連するコンテンツで様々な多様性を持たせられていると表現するべきかもしれません。
※ちなみに洋服のワンピースに関するサイトは現時点では15位が最高
これは実際に今上位に入ってるこのWEBサイト群がこのキーワードで上位表示するように一生懸命SEOを実践した結果、洋服のワンピースを扱うEコマースを軒並み抜き去ったのか?といえば、それもあるかもしれませんが根本的には多分そういうことではないと思います。
この結果から読みとれるのはGoogleでは「ワンピース」といえば「ONE PIECE」に関連する検索だと解釈されているということでしょう。絶対的な検索量だったりWEB上の言及量などから総合的に判断していると思いますが、その解釈如何で検索結果が変化するということがこういうケースを見ると何となくわかります。
検索意図とのミスマッチはSEOでは致命的
少し本記事のトピックであるQDDの本旨とは外れるかもしれませんが、仮に洋服のワンピースを専門で扱うEコマースでリスティング広告を出稿していて「ワンピース」という単体キーワードが非常に良いパフォーマンスだったので、SEOでも同じキーワードで上位表示させようとしたとします。
おそらく、この場合、どれだけ完璧なSEOが出来ていたとしても、上記のような検索結果の中で洋服のワンピースを扱うEコマースが上位3位以内にランクインすることはかなり困難だろう、という判断をするのが妥当だと思います。何故かと言えばWEBサイトの評価以前に、検索語に含まれるユーザーの検索意図(をGoogleがどう解釈しているか)が優先されるためです。
ワンピースの例は極端な例ですが、QDDの例で挙げた「ペット」というキーワードにおいても、例えば「ペット用品の総合ショップサイト」で1位~5位までを独占するというようなことは、どれだけ完璧なSEOを行ったとしても現実的にはほぼ不可能だと判断できます。検索意図の多様性に対して、検索結果の多様性が不足してしまうためです。
このような検索意図とコンテンツのミスマッチに気付かず「何故これだけやっても上位に表示されないのか」とか、QDDによって多様性を持たされた検索結果に対して「何でこんなサイトが上位にあるのか」みたいなことを被リンクのデータなどを見ながら議論していても、あまり生産的ではないようにも思います。
※もちろん、いろんな仮説をもって検証に臨む姿勢は僕らは常に持っているべきですが。
QDDという意外に見落とされがちな検索アルゴリズム:まとめ
なんだかありきたりな内容になってしまってかなり心苦しいのですが、主に単体キーワードでの上位表示を意図する場合(特にその言葉自体が様々な意味を持っていたり、複数の対象を表す言葉の場合)には、まずは実際に検索してみてどういう検索結果が返されているか確認することは必須で行っておくべきでしょう。
と言っても、競合サイトとの比較などを行うことを考えればその行為は普段から当たり前に行っていて然りなのですが、併せて検索エンジンのキーワードの解釈とWEBサイトのテーマがどれだけマッチしているかを確認するという意味でも大切です。
ただし最後に注意点としては、QDD自体はあまりメジャーなキーワードでない場合にはそんなに意識する必要はありませんし、大半は基本的なSEOができていて他のサイトよりも評価されればキチンと上位表示できます。ですので必要以上に神経質になり過ぎずに、「あ、そういうこともあるのね」程度に捉えておいて頂ければと思います。
[…] 正確にインデックスされるために行います。 QDDという意外に見落とされがちな検索アルゴリズム – 天照SEOブログ 自社サイトのSEO要件ばかり見ていると見失いがちですが、 […]
[…] テーマと合致していなければ上位表示は困難になります。 (参考:QDDという意外に見落とされがちな検索アルゴリズム ) ランキングアルゴリズムに基きインデックスされているWEBペー […]
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[…] ちらの記事(特に後半)を参考にしてください。 QDDという意外に見落とされがちな検索アルゴリズム […]
[…] ちらの記事(特に後半)を参考にしてください。 QDDという意外に見落とされがちな検索アルゴリズム […]
[…] 2011年10月の天照SEOブログさんの記事「QDDという意外に見落とされがちな検索アルゴリズム」を見てみると、驚くほど「ONE PIECE」の検索結果で埋まっています。 おそらく、この場合、どれ […]
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