キュレーションメディア()のSEO的功罪

  • 2016-11-29 (火) 18:34

山火事に飛び込んでいく感じのテーマで怖いのですが、先ほど初めてお会いした方から「W○○Qの件、ぶっちゃけどう考えてますか?」と聞かれて自分なりに答えました。この記事ではそこで話した内容も含め、個別のサービスの話というよりも全体の話としてちょっと自分なりの感想をまとめました。

ちなみに予め言っておくと今まさに話題になってる会社は個人的には好きな会社ですし横浜出身ですので野球チームも応援しています、と防衛線をはっておきます

ここでいうキュレーションメディア()とは

今更言うことでもないですけどキュレーションとはコピペ&リライトとか引用とか無断転載とかパクリとか情報発信に対して無責任とかそういうのではなく、もともとは全然違う意味ですね。Web/IT領域では「散らばった情報を収集し、整理して、付加価値を持たせて再構築する」くらいの意味合いでしょうか。

例えば、日常的にちょっとしたことで検索をすると「○○に行ったら絶対行くべき観光スポット18選」とかみたいな、いやお前1箇所も行ったことないくせによく平気な顔してそんなこと言えるな系記事が良くでてきますね。ここでいうキュレーションメディア()とはそういうものだとして書きます。

キュレーションメディア()のSEO的「功」

明らかにダメだろ的なやつの擁護をする気は一切ないのですがひとくくりに「キュレーションメディア全員○ね」みたいになるのは気持ちが悪いのでまず先にその辺について。

べつに「○○な××5選」的なまとめ記事自体は悪くないですね。

例えば「なんか無性に餃子を食べたい」となったとき。30件の餃子屋リストで並べられてさぁここから探してくれ、はちょっと重たくて、「○○付近でおいしい餃子が食べられる店3選」みたいな記事が出てきてくれるとそれはとても便利なのですね。

そしてこれは超絶グルメの人が書いたものでなくても良くて、普段そのエリアでたまに餃子食べてる人が自分の好みでおすすめしてる、とかでも十分かもしれません。言ってしまえばたまたま一緒にいた知人から勧められるのと大して変わらないので。

餃子にかぎらずそういうケースは皆さんもあるんじゃないでしょうかね。

で、よく「キュレーションメディア()ばっかり検索結果出てきてウザい」とかって言われてますけど、では一度そういうのを全部除外してみるとどうでしょうか。あまり参考にならない、数年前に書かれた個人ブログとか、誰が運営してるかすら不明なアフィリエイト系サイトとか、企業がとりあえず用意してみた系のしょっぱいコンテンツとかしか出てこない、なんていうケースもあるんじゃないでしょうかね。

「こういうの出てこないかな」と期待したコンテンツが存在しない検索結果って意外に多かったと思いますしまだそういうのは残ってると思います。(これから更にそういうところに安易にゴミを撒き散らす方法を思い浮かべるのはやめて欲しいというのは書いておく)。

言いたいことの1つとして、これまで検索需要があるにも関わらず『ちょうどいい感じのコンテンツ』が十分に提供されてなかったような非商用系ワードを中心とした検索結果に、『ちょうどいい感じのコンテンツ』を細かく大規模に放り込んで多くのユーザーの検索ニーズを一定程度満たしている(と思われる)点で価値があると思います。(そういう感じでやってるメディアが海外にもありましたけどそっちはパンダアルゴリズムで一度死にましたね)

また、それを大規模に行うことで一定のビジネスが成立する可能性があるということが示せていることにもそれ自体は価値があると思います。

また、キュレーションメディアと名乗る新興メディアが後発なのにガンガンユーザー数を伸ばしているという事実を見て、(キュレーションという手法でなくとも)企業がメディアを作って情報発信するきっかけになったというところも少なくないと思います。その点でも貢献があったと思います。

Googleの精度が以前から比べてずいぶん高くなったとは言え、この手のものを全然排除できていないんだなということに多くの人が気付いたというのもある意味収穫と言えば収穫です。ただしこういうのを「SEOってそういうこと」と思われるのは不本意です。

コンテンツの品質やライターのレベルについて、という意味では、みんなが何となく読みたい/観たいものが必ずしも「専門的で、深い考察に富んだ価値あるもの」とは限らないので、何か無断転載とかマナー違反があるとか適当な嘘ばっか書いてるとか法に抵触しない限りは、コンテンツの質が良い悪いは外野がとやかく言うことではなく読者/利用者にゆだねることかなと思う派なので特にそれはなんとも思わないです。

あと、これも2年くらい前から言ってますが、「他人のコンテンツをかき集めてそのコンテンツを自社のサービス内に無断で掲載してユーザー集めて広告でボロ儲けしてる」最たるサービスはGoogle検索エンジンだと思っているわけですが、ここに対して「ふざけんな勝手に人のコンテンツ掲載してボロ儲けしてんじゃねーよ」という人はいなくて、むしろ「SEO」とかいってどうやったらもっとたくさんGoogleに掲載されるんだとか考えてるわけですよね。違いとしては、Googleは「掲載されてデメリットがなくてメリットはある」で文句言われてるメディアの場合は「掲載されてメリットがなくデメリットが多い+なんとなくムカつく」だと思うのですが、その辺のバランスが取れてないという感じと思いますので、キュレーションメディア()という体裁や仕組みそのものを批判するつもりもないです。

キュレーションメディア()のSEO的「罪」

罪、というとさすがにアレですが個人的にはそうだと思ってることです。こっちは微妙だと思ってるほうのメディアの話です。

  • 「キュレーション」「キュレーター」という言葉の印象を地に堕とした
  • 法関連については言及を避けたとしてもマナーが悪かったりモラルがないメディアが多い
  • ユーザーにこういう価値を提供して…という文脈が全く読めないメディアが多い
  • びっくりするほど検索順位とることと収益上げることと量産体制回すことしか考えてないとこが多い
  • ゴミを撒き散らして検索結果を埋め尽くすような偏った危うい方法論が「新興メディアの常套手段」みたいに普及しつつあり、若手起業家が安易にそういうのに走ろうとするケースが増えた
  • 多分運営側にはさほど自覚はなく真面目に仕事としてやってる(この辺が個人的にいちばん気持ち悪い)
  • 引用元コンテンツの制作者、提供者に対する利益還元の精神やリスペクトの薄さ、「やったもん勝ち」と見られても仕方ないように見える姿勢
  • キュレーション()がキュレーション()をパクりそれが更にパクられ検索結果によってはほぼキュレーション()の使いまわしで埋まってしまうという地獄絵図を生み出した
  • どのサイトもどんどんビッグキーワード狙いの長文化が進む、そうせざるを得ない土壌を作った(これは今のGoogleの問題でもあると思う)
  • 今話題の件については、医療という厳しいテーマにも同じノリで突っ込んだ
  • そうして集めた「ユーザー数」という価値が曖昧な指標をもとに一見過剰にも見えるハイバリューで売(略

などと思います。まったくもって全部がそうじゃないんですけど、()をつけて揶揄したくなるものはこんな感じだと思っています。個人的に興味があるのは「そういうのを運営する仕事はどれほど楽しいのか」ということなのですがまぁその辺は個々人の感覚なのでどちらでも良いです。

※繰り返しですが特定の企業やサイトを指してません。
※個人の想像、感想です。実際の効果には個人差があります。

最後に

筆者は、この記事の情報及びこの情報を用いて行う利用者の判断について、正確性、完全性、有益性、特定目的への適合性、その他一切について責任を負うものではありません。この記事の情報を用いて行う行動に関する判断・決定は、利用者ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。


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