「SEO」「コンテンツマーケティング」「コンテンツSEO」そのあたり

  • 2015-03-11 (水) 21:55

「コンテンツSEO」とコンテンツマーケティングを同じと認識している人、場合によってはSEO=コンテンツマーケティングという人、コンテンツマーケティングとインバウンドマーケティングを同じ文脈で使う人、色々ありますね。バズワードのように使われやすい言葉たちです。

単なる言葉の定義なのでやってることが正しければそれで良いとも言えますが、しかし複数人が関わる仕事をしている場合、言葉の定義があいまいだとそもそも関係者間で話がかみ合わなくて困る、となることもありますので、そういう意味でもある程度しっかりしたい派です。

コンテンツマーケティングとSEOは全く別ものです

とりあえずSEOとコンテンツマーケティングとはさすがに別ものです。思考の出発点が違います。

 

 

とは言え、両者は切っても切り離せないくらい密接な関係にあるのも確かで、特に「SEOの観点から見たコンテンツマーケティング」という切り口では多くの商用サイトおいてはコンテンツマーケティングの成否がSEOの運命を決めるくらいのことを言っても良いでしょう。

それでも別ものはやっぱり別ものであるわけで、何を危惧しているかというと、「コンテンツマーケティングをSEOを前提としてしか考えられないがために多くの選択肢を放棄することになる」ということです。実際に、自社サイトにブログぶら下げて記事量産してバズらせることをコンテンツマーケティングと思っている人はかなり多いと思いますし。

“コンテンツSEO”って

検索ニーズがあるし一般的に使われることもあるのでWeb上ではたまに使う言葉ですけど普段は気持ち悪いのであまり使いません。気持ち悪さ的には「生活習慣ダイエット」みたいな感じです。

参考:図解で分かる”コンテンツSEO” : コンテンツ配信→リンク蓄積→流入増のサイクルを作る

意味合いとしては、「サイト内のコンテンツを作る、広める、改善する」などに着目して検索露出を向上させる方法、で要はSEOの取り組みの一環ということですね。あくまでSEOの方法論やプロセスを示す言葉であって、「コンテンツマーケティング」とはやはり一線を画した話と言えます。

※人によっては「コンテンツを作ってサイトに詰め込むことで主要ワードの順位を上げる方法」って考えてる人もいるようですがその思考でうまくいった事例ってありますか?やり方によっては逆効果になることもあるんじゃないでしょうか。

コンテンツ制作にSEOを反映させる+検索を前提にコンテンツを作る

SEOの話題で「コンテンツを作る」と言うと、

  • 検索クエリに対応するページを作って検索流入を得る
  • 記事をきっかけにサイトにリンクを集めてドメインを強くする

おおむねこの2つが話題として挙がります。

こういう検索がある(or増える)からこういう記事を書いて検索にヒットさせよう

1つめの、検索クエリをベースにコンテンツ制作を進める、というアプローチはもう常套手段でしょう。「一定のコンテンツ需要があることが分かっているのでそれに対応するものを作ります」というアプローチと言い換えても良いですね。

例えば

「○○ 買取 相場」

という検索クエリが一定量あったとして、その場合「これを売ったらだいたいいくらくらいで売れるんだろう」という素直な検索か、「近所の店舗で査定してもらったけど査定額に納得がいかないから一般的な相場感が知りたい」とか、たとえばそういう人が具体的にイメージできます。

彼らを目の前にしたことをイメージしながら「それは実は~ということなんですよ」というよ渾身の回答を提示することで、訪問者の課題解決につなげてもらうわけです。この発想の基本はここにあります。

これは正直「コンテンツ×SEO」と言えば誰もが真っ先に思いつくことなので、その中で埋もれないようにすることが重要です。コストとのバランスであったり、そもそものコンテンツ制作スキルの話であったり全てを100%でやりきるのは大変と思いますが、少なくとも「これはみんな見るべきだよ」という出来のものを世の中に送り出したいものです。

「このキーワードでの検索結果に出てくる中でで最も優れたものを作ろう」というのが前提にあると力が入りやすいしSEO上もある程度うまくいくことが多いかもしれません。とは言っても何のリアクションも得られない記事を量産したところで「あー役に立った」で終わるので(サイトは見たことあるけど誰が運営してるか知らないとか運営者が何やってる組織か知らないとかありますよね)、そのあたりは間違えないようにしておきたいところです。

 

こういうコンテンツを作るからこういうキーワードで検索流入を得よう

2つめは検索クエリベースでコンテンツを考えるのではなく、コンテンツを前提に、検索流入まで考慮する、というアプローチです。さっきのアプローチと二律背反ではないと思うのですけど起点は異なるので分けてます。

先日クックパッドさんのSEO事例の記事を見つけて内容は本当に素晴らしいなと思ったのですが、ここでとられているアプローチなんかはおよそこちらに相当しますね。

近年クックパッドはレシピだけでなく、料理周辺の課題を解決するコンテンツを集めることに注力しています。昨年その中の小さな施策のひとつとして、夏休みの自由研究に料理を取り入れることを提案する「自由研究」、離乳食期の食の課題解決を狙った「クックパッド ベビー&ママ」という二つのミニチャンネルを公開しました。

いずれも、クックパッドの数千万人の利用ユーザー中、「小中学生を持ち自由研究に課題をもつユーザー」「乳児食を探したいユーザー」は相当に限定されます。そのため、情報が必要な人にコンテンツを届けるために、SEOが効率のよい集客方法として予想されました。

引用:新コンテンツを作る際のSEO施策の効果評価とクックパッドのSEO

ユーザーに届けたいコンテンツが先にあり、コンテンツの露出方法としてSEOを行う、というプロセスです。

もちろんクックパッドさんはレシピのカテゴリの作り方や階層化、ラベルのネーミング、ロングテールキーワードへの配慮なんかもご存じの通り基本設計の中でとてもしっかりされていまして、そちらは「検索ニーズを考慮して受け口を作る」というプロセスに近いと言えます。

補足:バズる、バズらないの話

記事書いてる途中で流れてきたので引用。個人的には概ね同感です(URLレベルで考えるのかドメインレベルで考えるのかでちょっと状況変わりますけど)。

 


 
バズるバズらないの話でいえば、ある程度のバズを見込んでページを公開するのか、後々参照されるようなものとして作るのか、によってもその是非って全然変わってくると思います。

とりあえず、毎回毎回バズ狙うのって小規模な運営チームでは結構しんどいことが多いだろうし「バズりそうにないから作らない」とか本末転倒な思考に陥ることもあるでしょうし、あなたがバズ職人みたいな人でなければ過度のこだわりは不要と思います。逆にバズを狙いすぎるがゆえに企業としての品格を落とすようなコンテンツもたまに見ますけどそれでいいんでしょうかと問いかけたくなります。

あと、あまり言及されるケース多くないですけど「テーマ性を損なわない」ことも重要という認識で、広く浅く薄くよりも狭く深く濃く、のほうが特定のジャンルにおいてはSEOは強くなります。その発想でコンテンツの幅を狭める必要はないとは思いますが、「ドメイン下層にブログ入れてリンク集めればいいんでしょ」という発想でやるのはかなり微妙と思います。

「コンテンツを作る」から「コンテンツマーケティング」に向かう

Webでコンテンツを作ることはSEOでもなければコンテンツマーケティングでもなく「コンテンツ制作」です。それが検索結果に反映されるとか、マーケティングを改善するとか、そういうことが出来て初めてSEOなりコンテンツマーケティングと呼べる代物になります。

とりあえず細かいことはさておき、
 
「そのコンテンツは、どのようなユーザーに、どのように発見され、どのように利用され、どのようなリアクションを得られるのか、ターゲットユーザーの中で自分たちのコンテンツはどのような位置づけとされるのか」
 
とか、そんな感じのことを考えられるようになるとちゃんと「コンテンツマーケティング」っぽくなるのではないでしょうかと思っています。少なくとも、「バズる記事をたくさん作ってみんなに見てもらおう」以外の発想が出来るようになるかなと思います。

蛇足:インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティング

下手に突っ込むとマーケティング系のエライ人に怒られそうだからほどほどにしておきますが、

SEO,コンテンツSEO、コンテンツマーケティング、ここまでの話題はあくまでも「Web×マーケティング」という文脈の中で使われるものですが、インバウンドマーケティングとはあくまで「アウトバウンドマーケティング」に対して、という文脈で使われることが多いです。

※企業→顧客の営業スタイルをアウトバウンド、企業←顧客という営業スタイルがインバウンド、すごい雑に表現すればこんな感じでしょうか。

つまりインバウンドマーケティングとは、営業スタイルとか営業プロセスとか、を指し示す言葉と言えますし、事実としてインバウンドマーケティングという言葉は多くの場合BtoBのマーケティングの話題の中で使われています。

インバウンドマーケティングを実践するにあたり「コンテンツマーケティング」「SEO」というアプローチはとても重要なものと思いますが「インバウンドマーケティング」との確かな包含関係にあるものではないと理解しています。

蛇足2:ものすごく怖いイメージ図

そもそも異なるレイヤーの概念を並べようとしている時点で恐ろしい内容なのですが、色んな言葉がゴチャゴチャな人のために、ざっくりなイメージとしてはこんな感じでとらえてはどうでしょうかと。(どこかにまともな概念図があればそちらに差し替えたいですがドンピシャなのがない)

以上よろしくお願いいたします。


コメントを残す